ワインの町へと変化する余市のワイナリーへ
当社では、事業やサービスを掛け合わせて新しい価値を創出し、関わる人々に喜びや幸せ、感動に満ちた体験をもたらすべく「ライフ・ドレッシング」という社是を掲げています。その上で飲食事業部では、お客様に喜んで頂き、更に「感動の一日を作るためにはどうしたらいいのか」ということを真剣に考え、体現すべくCS活動を展開しています。
今回はその一環で、北海道札幌市内からバスで約1時間30分ほどの、海と山に囲まれた余市町にあるワイナリー「キャメルファーム」(株式会社キャメルファーム様運営)へ、アルバイトスタッフや新卒入社の初々しい社員からベテランまで、当社レストランの中でもワインに携わる機会の多いスタッフで伺いました。
余市町は、朝の連続テレビ小説で「ウィスキーの町」として全国的にも有名になりましたが、古くから果樹栽培が盛んで、2011年に道内初のワイン特区の認定を国から受けて以降、ワイン用ブドウの生産から醸造、そして観光も含めたワイン産業の振興を推し進めていることで、ワイナリーが急増しています。
キャメルファームは、余市町ではワイン用ブドウ栽培の第一人者で、高い評価を受けていた農家さんからブドウ畑を受け継ぎ、2014年に設立されました。東京ドーム約3個分にもなる16ヘクタールもの広大なブドウ畑と、研修ロッジ、醸造所を併せ持つワイナリーです。国際エノロゴ(醸造家)連盟会長のリカルド・コタレッラ氏の全面協力のもと、余市の風土を最大限に引き出した、世界に誇れるワイン造りを目指しています。
収穫体験を通じて、1本のワインへの「想い」と「価値」を知る
ブドウ畑では、伊藤ファーム長のご指導のもと、白ワイン用ブドウ「ケルナー」種の収穫体験をさせて頂きました。果物として食べる生食用ブドウとは異なり、ワイン用ブドウは膝の高さほどの位置に実がなります。
専用バギーに腰掛けたり、膝をついて屈みながら1房ずつ手作業で収穫をします。ブドウ10房を収穫してワイン1本分に相当するということを知り、スタッフからは「大切に飲まなくちゃ!」という声や、腰や肩への負担が大きく体力勝負の作業に、「こんな作業を毎日続けてるなんて!」と驚きの声が多数ありました。
ワイン用ブドウは天候の影響を受けやすく、今年は低温と雨が降ることが多く、ブドウが雨に当たりすぎないように、葉の剪定のタイミングを見極めるなど、伊藤ファーム長は対策を施されたそうです。自然環境との付き合いの中で、品質と収量を保つことがいかに難しく、それを1本のワインとして送り出すことが、どれだけ大変で価値あることかをお話の中で知ることができました。
スタッフは皆、一瞬でも自分たちがその中に携わらせて頂けたことに、気持ちが引き締まっている様子でした。栽培スタッフさんの毎日の手入れがブドウを育て、自分の子どものように愛情こめてワインを造っていることを実体験で学ぶことができました。
余市のブドウの味わいを最大限引き出すために
収穫体験後は敷地内にある、醸造所内も見学させて頂きました。私達が収穫したブドウもすぐに醸造所に運ばれ、発酵タンクへ移されて行きました。
ブドウのアロマ(香り)を強く残し、きめの細かい泡立ちで、質の高いスパークリングワインをつくり出す「シャルマ方式」の醸造タンクが立ち並び、最新設備が整ったその環境は、道内のワイナリーでも稀な存在です。
余市の風土を表現することを目指して取り入れた醸造設備や、出荷までの工程を見学したことで、目指している姿を創り出していくための考え方や、その取り組み方を学ぶ機会になりました。(熟成の際に使われる木樽の内部の香りを嗅がせて頂くという、貴重な経験もさせて頂きました!)
自分の嗅覚と味覚で実感した「ワイン」=「ブドウそのもの」
見学の最後には、「ケルナー種」でつくられたスパークリングワインと、黒ブドウ「レジェント種」で作られたロゼワインをテイスティングさせて頂くことができました。
スパークリングワインは、ほんのり甘みあるフルーティーな香りと、フレッシュな酸味のある味わいで、前菜や魚介料理、デザートなど幅広くお料理に合わせられそうな印象でした。収穫中に「ケルナー種」を味見させて頂いていたので、ワインを飲んだ時に、「さっき食べたブドウの香りや味がする!」と、驚いた様子のスタッフばかりでした。
醸造担当の方にお話を伺えたり、疑問に思ったことを質問して、分かりやすく教えて頂いたことで、目をキラキラさせて感動していたスタッフもおりました。皆、「ブドウがそのまま表現されたもの=それがワイン」ということを紐づけて実感することができました。
〝そこでしか造ることができない想い″を新しい価値として繋いでいく
今回は地元のワイナリーでしたが、私達の店舗では国内外のワインを取り扱っています。1本のワインをつくることは、長い年月と大変な労力が掛かる中で、造り手の想いが沢山詰まったものです。それぞれの商品は、「そこでしか」造ることができない「想い」が詰まっています。私達が実際に目にして、聞いたこと、体験したことを「商品」を通してお客様に伝えていくことで、その「想い」を繋ぎ、関わる人々の感動や新しい価値を創り出すことを目指していきます。